平成31年 1月1日  電波タイムズ 新春号

年頭所感 2019年
##劉震 総合トレーディングジャパン社長に聞く
株式会社総合トレーディングジャパン(GTJ、東京都千代田区、劉震社長)は、中国深センの通信機器メーカーHytera Communications Corporation Limited(Hytera /ハイテラ)の業務用自営通信機器の国内標準化および周知活動の全権を同社から委託されており、総輸入販売元として国内認証取得、販売、保守等の事業を行っている。

 

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2017年3月、HyteraのDMR防爆携帯無線機『PD798Ex』が国内本質安全防爆検定に合格して以来、全国の製油所・化学工場などに採用され、その製品品質の高さを評価されている。このことから、防爆規格以外の各無線製品も野外レジャー施設、物流倉庫等の他業種への導入が進んでいる。
加えて、DMR製品は高度な秘話機能を備えたセキュリティ性の高い無線通信が可能であるため、セキュリティを重視する施設など多方面からの問い合わせも増えているという。

劉社長は「電波タイムズ」の新春インタビューに応じ、同社とHytera社の近況、さらに2019年度の抱負を語った。

##本質安全防爆携帯無線機『PD798Ex』の着実な導入とDMR無線機の他業種への導入
石油コンビナート、化学・製薬工場、石油備蓄基地等、爆発性雰囲気が漂う危険場所が施設内に存在する場合、同エリア及び周辺で通信する際には、本質安全防爆構造の通信機器を使用することが業務遂行に欠かせません。
これは労働安全法で義務付けられております。


その条件を満たす防爆携帯無線機『PD798Ex』は2017年のリリース後、導入実績が順調に伸びております。
同製品はデジタル・アナログデュアル方式無線機であるため、従来のアナログ方式の無線機とも通信が可能です。
この事から、デジタル運用のニーズのみならず、従来のお客様からの買い替えや増設の需要も多く、アナログ無線機としてもご採用いただいております。
デジタル方式では、中継機能付き基地局無線装置を用いた運用で通信エリアを拡大させることで、今までの不感エリアが解消し、確実な敷地内通信が確保できます。
この方式で実際に導入頂いたお客様からは高い評価を頂いております。
また、石油関連施設以外では、野外レジャー施設、物流倉庫等、他業種へのDMR無線機の導入も進んでまいりました。
着実な実績を重ねることで、ユーザー様から好評をいただけることは最大の喜びです。

##HyteraのDMRによるセキュリティ性の高い自営無線通信
業務における重要通信の盗聴、緊急事態発生時の職員の安全確保を心配されるお客様から、DMR秘話通信性能や管理システムを併用した危機管理ソリューションへの問い合わせが増えています。
HyteraのDMR無線システムは①1677万通り以上のID設定、②高度な暗号化通信(AES256bit)、③システムアクセス制限、④パスワードロック、⑤無線機の遠隔制御、⑥デジタル無線指令システムによる管理の6つのセキュリティ機能を完備しております。
これらにより情報漏えいリスクを限りなく「0」に近づけ、安心・安全な自営無線通信と高度な労務管理を実現することができます。
例えば、⑥DMRデジタル無線管理システムでは、GPS位置情報による動態管理機能を利用することにより、管理者は、誰が何処にいるか把握することはもちろん、有事の際は異常を知らせる画面表示と警報音によって緊急事態を即座に認識できます。
視覚的に状況を把握できるため、周囲にいる職員に対して事態早期解決のための的確な指示が出せるのです。
このシステムは、外部インターネットに接続しない閉域網であるため、GPS位置情報等のデータがネットを介して外部に流出することは絶対にありません。
また、ソフトウェアもHytera社自身が開発したものですので、ハードとの相性が良いのもお勧めできる大きな要因です。

##PD988をリリース
昨年はHytera社の携帯無線機の中でも最上位に位置付けられるDMR携帯無線機『PD988』の工事設計認証を取得し国内リリースしました。
『PD988』の最大の特長は、Hytera社の独自技術による12.5kHz狭帯域一波でのリピーター機能を搭載していることです。
これはDMR(時分割二多重)方式の更なる技術革新によるもので、音声データをひとつの通話スロットで受信し、同時に別のスロットで送信できます。
この機能により通信距離を倍増できるため、携帯機同士で直接通信ができなかった遠距離通信が簡単に実現可能となりました。
例えばAとBの無線機は、ある一定の範囲では直接通信ができるのですが、距離が伸びると電波が弱くなり繋がらなくなります。
しかし、その間に『PD988』を置くことにより、同機が1波で同時送受信することで中継機能を果たし問題を解消します。
また、フルデュープレクス通信機能も搭載しております。
この機能も12.5kHz狭帯域一波で利用でき、ひとつの通話スロットで受信し、同時に別スロットで送信することで、携帯電話のような同時通話を可能にします。
その他、最新のノイズキャンセリング機能と、最大2.5Wの音声出力を有します。また、最高レベルの防塵・防水規格に準拠した堅牢ボディの保護等級はクラス最高の『IP68』で、水深2メートルに4時間浸漬した後にも正常に動作します。
さらに32GBのマイクロSDカードで576時間のデジタル音声録音を可能としました。
技術革新によるこれらの付加機能を搭載するPD988は、多様化するプロユーザーのニーズを必ずや満足させます。
まさに最強のDMR携帯無線機と言えます。

DMR携帯無線機PD988

##昨年のHytera社のトピックス
Hyteraグループの昨年のトピックは、ロシアで開催されたFIFAワールドカップ2018で同社の通信システムが全面採用され大会運営をサポートしたことです。
さらに、ドイツ警察に導入された無線端末は40万台の大台に達しました。
パプアニューギニアで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC2018)の要人警護・首脳会議の運営警備でも同社の通信システムが採用されました。
これは、製品のクオリティはもちろんのこと、高い秘匿性とセキュリティ性が重視された結果です。
以上のように、世界各国の大規模スポーツイベント、公共安全、国際会議等の場でHytera社の通信機器をご採用いただいている状況は、同社の製品品質と技術力、サービスが各国に認められている証拠だと考えております。

##まとめと2019年の抱負
今まで弊社は、多くのプロユーザーの皆様に対し、デジアナ業務用無線を中心とする最先端技術を集結した製品を供給してまいりました。
お客様からは、製品の品質はもちろん、堅牢性からの安心感、最新のデジタル管理指令システムによる運営効率化の実現など高いご評価を賜っております。
本年もお客様から頂いた貴重なご意見をもとに、ユーザーのご満足のために必要不可欠な製品を供給する自営無線通信の総合ソリューションプロバイダとしてさらに進化していかなければと考えています。
また、世界のデジタル通信技術は絶え間なく進歩しており、Hytera社におきましても、プライベートLTEと狭帯域無線通信機器を融合させたマルチモード機やシステムをリリースし、自営無線通信のイノベーションを牽引しております。
弊社は最新の通信ソリューションをタイムリーかつ的確にお客様に周知し、お客様の業務を少しでもサポートできるよう、まい進していく所存です。