年頭所感 2021年

劉震 総合トレーディングジャパン社長に聞く

総合トレーディングジャパン(GTJ、東京都千代田区、劉震社長)は、中国深センの大手通信機器メーカーHytera Communications Corporation Limited(Hytera /ハイテラ)の業務用デジタル自営通信機器の国内標準化、ならびに周知活動の全権を同社から受託した総輸入販売元として国内認証取得、販売、保守等の事業を行っている。

主力商品である国内本質安全防爆携帯無線機『PD798Ex』が、全国の石油コンビナート・化学工場などをはじめ、公共安全分野にも採用されている。また、この機種は防爆規格がEx ib IIC T4 Gbで水素まで対応しているため、水素燃料を扱う新エネルギー分野などからの問合せや導入が増えている。Hytera製品の機能と品質は各方面より高い評価を受け、防爆無線以外の各自営無線通信製品も、野外レジャー施設や物流倉庫など他業種へ導入が進んでいる。加えて、各製品とも高度な秘話機能を備えたセキュリティ性の高い無線通信が可能であるため、情報漏えい防止を重視する施設など、多方面からの問い合わせも増えているという。

劉社長は「電波タイムズ」の新春インタビューに応じ、同社とHytera社の近況、さらに2021年の抱負を語った。

労働安全法義務化への対応

国内初の特定小電力本質安全防爆携帯無線機​

 石油コンビナートや化学・製薬工場、石油備蓄基地など、爆発性雰囲気の危険場所が施設内に存在し、そのエリアや周辺で通信するさいは、本質安全防爆構造の通信機器を使用する必要があります。

比較的小規模な防爆危険場所を有しているお客様からの、免許と無線従事者資格を取得することなく、より簡単に防爆無線機を導入したいというニーズに応えるべく、その条件を満たす特定小電力防爆携帯無線機『PD798Ex U(1)』を2019年にリリースしました。こちらは昨年も導入実績を順調に伸ばしています。免許資格不要で導入が容易であることに加え、一般業務用無線機に比べ出力が低い特定小電力無線機であるため、施設内の計器など精密機器への影響が少ない点、短期間レンタルでの気軽な利用が可能である点など、ユーザー様から高い評価を頂いております。

《2021年国内リリース》

POC無線機PNC380

機能を一台に集約複数の端末を操作しなければならない煩雑さから開放

(2in1 Simフリー電話 x IP無線)&広域音声・ビデオ通話サービス「Hytalk」

POC(ush-to-talk ver ellular)は、携帯電話のモバイルデータ通信ネットワークを介したより広い通信範囲での音声・ビデオ通話サービスです。携帯電話のデータ通信網を利用しているので、日本全国さらには世界中と通信が免許と資格不要で可能となります。また、PTTを押して通話するので今までの無線機と同じ感覚で利用できます。

HyteraのPOC無線機の主な特長
  1. Simフリーで各通信キャリアの4Gメイン周波数バンドをカバーB1/B3/B8/B18/B19/B26/B28/B41認証取得、MNOはもちろん、MVNO(格安Sim)も利用可能。
  2. 携帯電話として使用可能090/080/070番号の音声Simカードに対応。
  3. 無線機として使用可能個別・グループPTT通話が可能。音声はもちろんビデオ通話が可能なので現場の状況をビジュアルで素早く把握できる。
  4. 多言語対応日本語、英語、中国語、フランス語、スペイン語、ドイツ語等16か国語に対応しているので外国人スタッフも簡単に使用可能。
  5. キャリア回線とWi-Fiは自動切り換え可能Wi-Fi接続が容易。モバイルデータ通信圏外でも無線LAN環境があれば地下などでも通信が可能。
  6. 優れた耐久性、堅牢性防塵防水性能IP67、米国軍用規格MIL-STD-810G取得。
  7. 4,000mAh大容量電池標準装備IP無線は最大24時間まで運用可能。
  8. GPS/GLONASS/BDS対応クラウドWEB動態管理サービスを利用すれば、位置情報の確認はもちろん、事務所と端末間の音声・ビデオ通話も可能。
  9. デュアルマイク/大出力2Wスピーカ搭載ノイズが軽減され、騒音下でもクリアな音声を確保。
  10. ボイスレコーダー、500万画像素リアカメラ、BlueTooth4.1 BLE、マイクロSDカード対応(最大32GB)、テザリングなど便利な機能で様々なシーンに対応可能。

以上のように、携帯電話、IP無線機、カメラ、ボイスレコーダーなどの様々な機能を1台に集約させることで利便性を高め、ユーザー様を従来のように複数の端末を携帯、操作しなければならない煩雑さから解放します。音声通話のみならず、リアルタイムでの遠隔ビデオ通話を1台で可能にしたこの機種は業務のあり方を一新させる製品になると考えています。また、現場に必要な機能をこのひとつにまとめたことによる、設備投資対効果のコストパフォーマンス向上も注目すべき点です。

昨年の世界各国でのHytera社のトピックス

1.オランダ

Hyteraドイツ支社(Hytera Mobilfunk GmbH)はオランダ法務・安全保障省(Dutch Ministry of Justice and Security)へ、全国規模のTETRAネットワークACCESSNET®-T-IP通信システムを納入。これにより、オランダ全国のレスキュー隊および警察は毎日18,600台の端末を稼働させ、約16万通の重要通信が可能に。


2.アラブ首長国連邦

アブダビ警察(Abu Dhabi Police)では、ブロードバンドLTEと狭帯域通信Tetraを融合したマルチモード端末を利用した統合通信プラットフォームを構築。通常の無線音声通話をはじめ、LTEデータ通信を利用した専用アプリケーション、携帯電話などに対応し、各種機能が統合され、警察の業務を飛躍的に効率化。

3.その他、

ポーランドのワルシャワショパン空港英国高速道路管理局(Highways England)、バミューダ警察、ノルウェー国立美術館、2019年世界陸上ドーハなどに業務用通信システムを納入。

以上のように、世界各国の大規模インフラ、公共安全などの場でHytera社製品の高い品質と技術力、サービスが各国に認められ、相次いで導入が進んでいます。

2021年の抱負

今まで弊社は、多くのプロユーザーの皆様に対し、デジタル・アナログ業務用無線を中心とする最先端技術を集結した自営無線通信製品を供給してまいりました。

高品質な製品、堅牢性からの安心感、導入時の利便性、最新のデジタル管理指令システムによる運営効率化の実現など、昨年度お客様からよせられた高い評価を本年もまた頂けるよう、皆様がご満足できる製品を供給する自営無線通信の総合ソリューションプロバイダとして、さらに進化していかなければと考えております。

 昨年度は日本でも熊本の豪雨災害など多くの自然災害に見舞われました。まずは被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。通信機の業界におきましては、近年世界各地で多発する自然災害やテロなどの緊急事態に、スピーディに対応できる自営通信ネットワークの構築や、音声映像等を統合した非常通信ソリューションが大きく注目されています。このような背景を踏まえ、より進化した非常通信手段を提供する事は喫緊の課題であり、我々も今後もさまざまな取り組みや検討を行ってまいります。Hytera社におきましても、LTEPMR自営ハイブリッド通信システムやプライベートLTEと狭帯域無線通信を融合させた端末に、さらに5Gを加えてリリースする予定です。 繰り返しにはなりますが、弊社は最新の自営非常通信ソリューションをタイムリーかつ的確にお客様に周知し、お客様の業務遂行を少しでもサポートできるよう、今年もまい進していく所存です。

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