令和2年 1月1日  電波タイムズ 新春号

株式会社総合トレーディングジャパン 年頭所感 2020年

劉震 総合トレーディングジャパン社長に聞く

総合トレーディングジャパン(GTJ、東京都千代田区、劉震社長)は、中国深センの大手通信機器メーカーHytera Communications Corporation Limited(Hytera /ハイテラ)の業務用デジタル自営通信機器の国内標準化、ならびに周知活動の全権を同社から受託した総輸入販売元として国内認証取得、販売、保守等の事業を行っている。

2017年3月、DMR防爆携帯無線機『PD798Ex』が国内本質安全防爆検定に合格して以来、全国の製油所・化学工場などをはじめ、公共安全分野にも採用され、その製品品質は各方面より高い評価を受けている。このことから、防爆規格以外の各無線製品も野外レジャー施設、物流倉庫等の他業種への導入が進んでいる。加えて、DMR製品は高度な秘話機能を備えたセキュリティ性の高い無線通信が可能であるため、情報漏えい防止を重視する施設など多方面からの問い合わせも増えているという。劉社長は「電波タイムズ」の新春インタビューに応じ、同社とHytera社の近況、さらに2020年の抱負を語った。

##国内初の特定小電力本質安全防爆携帯無線機をリリース

石油コンビナート、化学・製薬工場、石油備蓄基地等、爆発性雰囲気が漂う危険場所が施設内に存在する場合、同エリア及び周辺で通信する際には、本質安全防爆構造の通信機器を使用することが業務遂行に欠かせません。これは労働安全法で義務付けられております。その条件を満たす一般業務用防爆携帯無線機『PD798Ex』は2017年のリリース後、導入実績が順調に伸びております。同製品はデジタル・アナログデュアル方式の無線機であり、デジタル運用のニーズのみならず、従来のお客様からの買い替えや増設の需要も多く、アナログ無線機としてもご採用いただいております。デジタル方式では、中継機能付き基地局無線装置を用いた運用で通信エリアを拡大させることで、今までの不感エリアが解消し、確実な敷地内通信が確保できます。しかし、比較的に小規模な防爆危険場所を有しているお客様から、免許と無線従事者資格の取得が不要で、より簡単に導入できる防爆無線機がほしいと沢山のご要望をいただきました。このようなお客様の声にお応えすべく、昨年9月に特定小電力本質安全防爆無線機をリリースいたしました。同機種は、特定小電力無線機分野では初となる本質安全防爆構造であり、免許・資格を気にせずに、ご購入後すぐに使えることが最大の利点です。限られた危険場所に於ける自営通信ニーズや、現在使用している防爆型アナログ簡易無線機の利用期限後の移行先に苦慮されているユーザー様に、最適な新製品です。発売以来、同製品をご導入頂いたお客様からは、高い評価を頂いております。また、特定小電力無線機であることから、一般業務用無線機に比べ出力が低いため、施設内の各計器などへの影響も少なく、短期間レンタル利用も可能であるため、石油コンビナート、化学・製薬工場、石油備蓄基地等、爆発性雰囲気が漂う危険場所で作業を行う出入り業者様に於いても気軽に利用いただけます。この様に、これまで存在しなかった新しい製品アイテムを供給する事で、着実な実績を重ね、ユーザー様から好評をいただけることは最大の喜びです。

pe798ex

Hyteraのデジタル地域振興用MCAシステムを国内にリリース

「 地域振興用陸上移動通信システム」は1993年に郵政省(現総務省)により制度化された無線通信システムです。これは個々の企業に免許されるものではなく、地場産業の振興や、地域住民の生活向上を図ることを目的とする団体にのみ許可される無線システムです。主に地方公共団体、農業協同組合、森林組合、商工会議所、イベント団体、漁業組合、観光協会、医師会、福祉団体、第三セクターなど無線機の共同利用を目的とする団体等に免許されます。また、基地局が設置された通信所に、国家資格を有する無線従事者を配置しますので、個々の利用者は、ご使用にあたっての資格は不要です。Hyteraのデジタル地域振興用MCAシステムは3つの特長があります。コントロールチャンネルが不要⇒全ての通信スロットを通話回線として利用可能です。大きな通信キャパシティ⇒既存の独立した複数リピータ運用を、シームレスなマルチチャンネルシステムに進化させます。既存設備からの更新も簡単⇒究極のALL in ONE設計であり、様々なニーズに対応可能です。これらの特長により、無線機のチャンネル切り替えなど面倒な操作の必要がなく、自動的に保有する全通信スロットをフル活用することを可能としました。また、時分割二多重TDMA方式を採用していることによって、一波当たりの収容力が2倍になる事から、同じ局数が加入を許容する場合は、既設アナログシステム基地局リピータの半数で対応可能となります。これらシンプルな設計・機器構成により、保守メンテナンスなどのランニングコスト低減をも実現させました。さらに、HyteraのDMR無線システムは①1677万通り以上のID設定、②高度な暗号化通信(AES256bit)、③システムアクセス制限、④パスワードロック、⑤無線機の遠隔制御、⑥デジタル無線指令システムによる管理の6つのセキュリティ機能を装備しております。従いまして、情報漏えいリスクを限りなく「0」に近づけ、安心・安全な自営無線通信と高度な労務管理を実現することができます。

 

昨年のHytera社のトピックス

Hyteraグループの昨年のトピックとして、まず挙げられる事例は、パナマの全国PMRネットワークに同社のDMR Tier IIIトランキングシステムが採用された事です。パナマの港湾、空港などの多数のユーザー様に、高度で信頼性の高いミッション/ビジネスクリティカルな通信サービスを提供します。また、英国ロンドン警視庁(Metropolitan Police Service)では、Hytera子会社であるSepura製のTETRAシステムを採用し、端末三万二千台を導入しました。さらに、ブラジルポルトアレグレ都市鉄道とインドネシアジャカルタ高速都市鉄道に鉄道デジタル無線通信システムを納入しました。以上のように、世界各国の大規模インフラ、公共安全などの場でHytera社の通信機器をご採用いただいている状況は、同社の製品品質と技術力、サービスが各国に認められている証拠だと考えております。

まとめと2020年の抱負
今まで弊社は、多くのプロユーザーの皆様に対し、デジアナ業務用無線を中心とする最先端技術を集結した製品を供給してまいりました。
お客様からは、製品の品質はもちろん、堅牢性からの安心感、導入時の利便性、最新のデジタル管理指令システムによる運営効率化の実現など高いご評価を賜っております。本年もお客様から頂いた貴重なご意見をもとに、ユーザー様のご満足のために必要不可欠な製品を供給する自営無線通信の総合ソリューションプロバイダとしてさらに進化していかなければと考えています。また、世界のデジタル通信技術は絶え間なく進歩しており、Hytera社におきましても、LTE―PMR自営ハイブリッド通信システムやプライベートLTEと狭帯域無線通信を融合させた端末をリリースし、その中、特に注目されたのは、各国で自然災害、テロ等緊急事態が発生した際、スピーティに自営通信ネットワークを構築し、音声・映像等を統合した非常通信ソリューションを提供し続けてきた事です。日本でも昨年の台風15号、19号など、大きな災害に見舞われました。被災地の方々には心よりお見舞い申し上げます。弊社にとって、今後起こりうる経験したことがないような災害にも対処ができる、より進化した非常通信手段を提供する事は重要な課題であり、今後もさまざまな取り組みや検討を行ってまいります。 繰り返しにはなりますが、弊社は最新の自営非常通信ソリューションをタイムリーかつ的確にお客様に周知し、お客様の業務遂行を少しでもサポートできるよう、継続してまい進していく所存です。