「電波タイムズ令和6年新春号」に当社代表のインタビューが掲載されました


電波タイムス2024年新春インタビュー

劉震 総合トレーディングジャパン社長に聞く

    総合トレーディングジャパン(GTJ、東京都千代田区、劉震社長)は、中国深センの大手通信機器メーカーHytera Communications CorporationLimited(Hytera/八イテラ)の業務用デジタル自営無線通信機器やシステムならびにIP無線機器の国内周知活動の全権を同社から受託した総輸入販売元として国内認証取得、販売、保守等の事業を行っている。劉社長は「電波タイムズ」の新春インタビューに応じ、同社とHytera社の2023年の回顧と、本年の抱負を語った。

「新商品HPシリーズ発売」

    新DMR業務用無線機HPシリーズを発売し、順調に導入が進んでいます。新シリーズでは技術革新により受信感度が向上し、従来シリーズに比べ通信範囲が約10%拡大しました。ほか、ノイズキャンセリング機能にAIを搭載したり、消費電力の低減にも成功したりと、より進化を遂げています。


特定小電力本質安全防爆携帯無線機用リピーター発売

    プラント・石油コンビナートや化学・製薬工場、ガスの製造・備蓄施設、石油備蓄基地など、爆発性雰囲気の危険場所が施設内に存在し、そのエリアや周辺で通信するさいは、本安防爆構造の通信機器を使用する必要があると労働安全衛生法、消防法や電気事業法令で定めております。

 

    国内唯一の本質安全防爆仕様の特定小電力無線機『PD798ExU(1)』は、リリース以来、ユーザー様より高い評価を頂戴しております。免許と無線従事者資格を取得することなく、防爆無線機を手軽に導入されたい、比較的小規模な防爆危険場所を有しているユーザー様のニーズにお応えでき、昨年も多くのユーザー様に導入いただきました。さらにこれに対応する特定小電力デジタル無線リピーターHR658を昨年11月下旬に発売しました。このリピーターの導入によって、特定小電力防爆無線機PD798Exの通信範囲を約2倍に拡大でき、不感地帯の解消が可能になるため、発売後多くのお問い合わせを頂戴しています。もちろん免許も資格も不要なので、ユーザー様の利便性を高め、製品選択の幅をさらに拡げられると考えています。

 

    また、一般業務用タイプの防爆無線機についても、脱炭素化にむけた水素製造、貯蔵、輸送等の水素サプライチェーン構築にかかわる企業様からの問い合わせが増え、導入が進んでいます。水素社会実現に向けた社会的な取り組みに、弊社の商品が貢献できていることを大変嬉しく思います。



UL防爆仕様のスマートLTE端末

    東京国際展示場で9月に開催された化学産業の総合展示会「INCHEM TOKYO 2023」の、安全・防爆ゾーンにて国内販売店とHyteraで合同出展を行いました。防爆無線機の他、UL防爆仕様のスマートLTE端末「PNC460U」を展示し、こちらが多くの来場者に注目され早期リリースのご要望を多く頂きました。その声に応えるため、日本でのリリース準備を現在急ピッチで進めており、本年中の発売を目指しています。

 

   


UL防爆仕様のスマートLTE端末「PNC460U」の主な特徴

 

1. デュアルSIMスロットを標準搭載し、一台で異なる通信キャリアを利用可能

 

2. OSはアンドロイド12で、ユーザー独自のアンドロイドアプリケーションにも対応

 

3. PTT搭載でIP無線機としての利用のほか携帯電話としても使用可能

 

4. IP68、米国軍用規格MIL-STD-810Gを取得し、プロフェッショナル仕様の耐久性、堅牢性

 

5. 4580mAh大容量電池とUSBタイプC充電端子で、長時間運用可能かつ簡単充電

 

6. 高精度GNSSに対応し、動態管理サービスでより正確な位置情報の確認が可能

 

7. AIベースノイズキャンセリング機能でクリアな音声

 

8. 外部アンテナで受信感度が内蔵アンテナに比べ7割向上

 

9. ほか、5000万画像素HDRリアカメラ/800万画像素フロントカメラ/加速度センサー/ジャイロセンサー/地磁気センサー/光センサー/Blue Tooth5.0



2023年でHyteraは30周年

   5月15日にインドネシアのバリ島で開催されたグローバルパートナーサミットで記念式典を執り行う。

 

   サミットの基調講演ではCEOのYelin Jiang氏が、Hyteraがこの30年で製品プロバイダーから、技術とソリューションのプロバイダーへ進化し、ミッションクリティカルとビジネスクリティカルなコミュニケーション分野をリードする企業のひとつになったことを強調。また同サミットにはイギリスの市場調査会社OMDIAのエグゼクティブ・リサーチ・ディレクターであるトーマス・リンチ氏も出席し、通信業界のミッションクリティカルコミュニケーションがハイブリッドアプローチへと移行していることを分析した。Hyteraの多面的な製品開発戦略にもこれが現れている。

 


以下に2023年におけるHyteraの世界での動向のいくつかをピックアップ。

 

1、オーストリア ウィーンのドナウインゼルで開催された世界最大の野外音楽祭「ドナウ島フェスティバル2023(Donauinselfest)」でDMRデジタル中継システムを使用。3日間で約300万人が来場する大規模な音楽祭での、円滑な運営をサポートした。

 

2、ショパン空港

 

ポーランドの首都ワルシャワのショパン空港に、新しい「ACCESSNET®-T IP システム」を導入。このシステムと1,000台超のTETRA無線機が信頼性の高い通信を可能にし、空港敷地のすべての屋内および屋外エリア全体をカバーする。

 

3,ピレウスコンテナターミナルのTETRA

 

ヨーロッパ最大の積み替えハブのひとつであり、ギリシャ最大の港であるピレウスコンテナターミナルで使用されている「ACCESSNET®-T IP」が、TETRAインフラストラクチャーにアップグレード。これにより、無線機とIP無線が直接接続され無線通信範囲がほぼ無制限に拡大。

 

4、ロッテルダムマラソン IP無線システム

 

世界から約2万2000人が参加し、10万人が観覧するオランダ最大のマラソン大会で、PoC無線機PNC380とボディカメラVM780のテストパイロットが行われ成功。PNC380の大音量でクリアな音声とボディカメラによるリアルタイムビデオのソリューションは高い評価を受け、来年2024年度の同マラソンでの採用のほか、オランダで開催される他のスポーツイベントでの使用に向けても準備が進められている。


2024年の抱負

    お客様から多く寄せられる声に、IP無線通信サービスを利用できる防爆仕様のLTE端末の発売への期待が多数あります。現在、Hytera社のUL防爆仕様のLTE端末を、本年中のリリースを目指して準備中です。この端末は特にガス、水素等の化学物質を扱う危険エリアを有する企業様からご要望が多く、Hytera社とともに取り組んで一日も早く発売できるように専念して努めてまいります。

 

 昨今注目されている、音声や映像等を統合した非常通信ソリューションや、より進化した効率的な自営通信ネットワークの構築は、災害や緊急事態に迅速に対応し被害を未然に防ぐ、または被害を最小限にとどめるための要です。こうした高品質な通信システムを提供することは、私どもの任務であると考えており、本年もお客様の業務遂行に少しでも貢献できるよう、まい進する所存です。