「電波タイムズ令和7年新春号」に当社代表のインタビューが掲載されました


電波タイムス2025年新春インタビュー

劉震 総合トレーディングジャパン社長に聞く

 

 総合トレーディングジャパン(GTJ、東京都千代田区、劉震社長)は、中国・深センの大手通信機器メーカーであるHytera Communications Corporation Limited(Hytera/ハイテラ)から、業務用デジタル自営通信機器の国内標準化および周知活動に関する全権を受託した総輸入販売元として、国内認証取得、販売、保守などの事業を展開している。

劉社長および来日中のHytera社 北東アジア地区統括本部長 Ma Ning氏は、「電波タイムズ」の新春インタビューに応じ、両社の近況と2025年に向けた抱負について語った。




新商品「UL防爆仕様スマートLTE端末 PNC460U」の発売

 2024年6月に発売されたUL防爆仕様のスマートLTE端末「PNC460U」は、多くのお客様から期待を寄せられていた次世代型通信デバイスです。本製品は防爆性能、全国広域通信、そしてスマートな操作性を兼ね備え、危険物取扱現場や過酷な環境での使用に最適化されています。

主な特長

 1.全国広域IP無線機能

 PNC460Uは全国どこでも利用可能なIP無線機能を搭載し、広範囲にわたる安定した通信を実現しています。遠隔地での作業や緊急時の即時連絡を円滑に行えることから、各現場で高く評価されています。

 2.携帯電話機能搭載

 IP無線としての利用に加え、携帯電話としても使用可能です。既存の電話ネットワークとのシームレスな連携により、業務効率を大幅に向上させ、現場での活用範囲をさらに拡大します。

 3.UL防爆仕様

 UL規格に準拠した防爆設計により、爆発性ガスや可燃性粉塵が存在する危険な環境下でも、安心して使用できます。安全性が求められる現場で、その堅牢性と信頼性が高く評価されています。


 PNC460Uは全国広域IP無線と携帯電話の利便性を一台に統合した革新的な製品です。特に安全性が求められる現場において、より効率的で信頼性の高い通信環境を提供し、業務遂行を支援します。発売後、各地で通信デモを実施し、多くのお客様に実際の使用感を体験いただきました。現場での安定した通信性能や優れた操作性、防爆性能、携帯性などに対し、多くのポジティブなフィードバックを頂戴しています。多くの企業・現場において検討および導入が進んでいます。ともに「作業効率が向上した」「緊急時の円滑な対応が期待できる」などの声が寄せられています。今後もお客様の期待に応えるべく、さらなるサポートと進化を続けてまいります。


新型「一般業務用本質安全防爆携帯無線機 HP79XEx」発売予定

 プラント・石油コンビナート、化学・製薬工場、ガス製造・備蓄施設、石油備蓄基地など、爆発性雰囲気が存在する施設内や周辺での通信には、本質安全防爆構造を有する通信機器の使用が、労働安全衛生法、消防法、電気事業法令で求められています。

本質安全防爆仕様の一般業務用携帯無線機「PD798Ex」は、これまで多くの過酷な環境下で使用され、全国の石油コンビナート・化学工場をはじめ、ガス事業者、消防、水素燃料を扱う新エネルギー分野など、幅広い業界のプロフェッショナルから高い評価と信頼を獲得してきました。その経験とノウハウを結集し、さらなる性能向上を図った新製品を本年中にリリースする運びとなりました。

今回リリース予定の新型防爆無線機は、従来の常識をはるかに超える高性能・高信頼性を追求した画期的なモデルです。特に、国内で唯一「2W送信出力」「IP68防水防塵性能」「米軍MIL-STD-810H準拠」「使用温度範囲拡大」を同時に実現。危険物取扱現場や極限環境下でも、確実かつ安定した通信を提供します。

主な特長

 1.国内唯一の2W送信出力

 通信エリアの大幅拡大を可能にし、電波障害や遠距離通信が課題となる現場でも安定した通信品質を確保します。

 2.IP68防水防塵性能

 粉塵や降雨など、過酷な環境下でも性能を維持。水深1.5mで最大30分の耐水性を備え、屋内外を問わず安心して運用可能です。

 3.米軍MIL-STD-810H準拠の堅牢設計

 極寒・高温・衝撃・振動など、過酷な使用条件下でも耐えうるタフな構造を実現。厳しい現場要求に応えます。

 4.使用温度範囲の拡大

 使用可能温度範囲を従来の-20℃~50℃から-25℃~60℃へ拡大。より多様な環境条件下で安定した動作が可能です。

 5.高感度受信技術によるクリアな音声

 ノイズや電波干渉が多い環境下でもクリアな音声通信を実現。緊急時や重要な指示伝達を確実に行い、現場の安全性向上に貢献します。

 6.国内最軽量設計・直感的な操作性

 軽量化により長時間運用時の疲労を軽減。手袋着用時でも操作しやすい大型ボタンや直感的インターフェースを採用し、誰でも簡単に扱えます。


 7.高度な安全機能・管理機能

 非常用ボタン、位置情報機能、IoTによる遠隔管理機能などを搭載し、緊急時の即応性、運用効率、安全性を強化しました。

 本製品は通信品質、耐久性、安全性、操作性、環境適応性を飛躍的に向上させ、さまざまな業界・現場のニーズに応える次世代の防爆無線機です。国内で唯一これらの特長を同時に実現し、危険物取扱現場や極限環境での使用に最適な選択肢となるでしょう。

リリース予定

 近日中の正式リリースを予定しております。詳細なスペックや導入メリットは順次ご案内いたします。今後も現場の安全と効率を支えるパートナーとして、さらなる技術革新に挑み続けてまいります。どうぞご期待ください。


Hytera社 2024年のトピック

 2024年、Hyteraは引き続き成長と進歩を遂げています。チャネルパートナーは2022年比で1,000社以上増加し、世界100カ国に子会社または現地組織を展開中です。2024年にはドバイ、南アフリカ、ドイツ、タイ、インドネシア、フィリピンなどで子会社・オフィスを拡大し、今後グローバルビジネス成功の新たな証となるでしょう。

   Hyteraは毎年、世界各地の主要イベントで通信サービスの専業プロバイダーとして重要な役割を果たしてきました。G20(ブラジル)、APEC(ペルー)、COP29(アゼルバイジャン)などの大規模国際サミットに通信機器・サービスを提供し、いずれのイベントでも10,000名以上、多い場合で17,000名以上の警備関係者が使用しました。セキュリティと機密性が極めて重視されるこれらの場で、Hyteraは主催者から高い評価と称賛を得ています。また、サウジアラビアのメッカ巡礼(ハッジ)に5年以上にわたり専用ネットワーク統合システムとサービスを提供し、世界でも最も交通量が多い単一イベントでの通信確保にも貢献しています。さらに、2024年にはパリオリンピックにも参加し、世界的なスポーツイベントを通信面から支える予定です。


 化学、天然ガス、エネルギー産業分野でも、Hyteraは約10年にわたりサウジアラビアの国有石油会社サウジアラムコに防爆無線通信機器を供給し、顧客基盤を年々拡大しています。インドネシアの大手鉱山企業であるPT Pamapersada Nusantara (PAMA)や、米国系天然ガス企業PGEのインドネシア支社、さらにはPETRONASも新たな顧客となりました。日本においては、GTJとの緊密な協力関係を通じ、消防局や大手化学メーカー、石油精製所、ガス事業者などへ防爆無線通信機器を安定供給しています。

 ハイテク企業であるHyteraの原動力であり中核的競争力は、技術革新です。Hyteraで9年勤務する一社員として、技術革新を「企業成長の血と骨」と位置づける戦略の重要性を改めて実感しています。第2世代 H シリーズ製品をグローバルリリース後、「ウォーキートーキーの改ざん防止回路・制御方法」に関する特許取得や、防爆設計に関する特許出願により、ユーザーの安全を高め、リスクの低減と製品品質向上に努めてきました。これらは当社技術革新の重要な一歩であり、グローバル市場での新たな評価と信頼獲得に大きく寄与しています。

 2023年にはインドネシア・バリ島でHytera創立30周年を迎え、2024年5月16日には中東事業を統括するHyteraドバイ支社の10周年記念として、ドバイにある世界一の高層ビル、ブルジュ・ハリファで点灯式を行いました。これはHyteraグローバル事業における大きな節目であり、世界中のパートナーや顧客と成長の軌跡を共有する貴重な機会となりました。

 2025年に向け、Hyteraはナローバンド領域のみならず、PoCやブロードバンド、さらにはナローバンド・コンバージェンスへと事業領域を広げ、より大規模かつ重要なプロジェクトや成果を創出していく方針です。日本のパートナーであるGTJをはじめ、世界各地のパートナーとの連携を強化し、幅広い業界のグローバル顧客層に一層貢献していく所存です。2025年には、これらの進歩・発展をお客様やパートナーの皆様と共有できる日を、心より楽しみにしております。


2025年の抱負

    昨年度は能登地方では大規模な地震が発生しました。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。近年、世界各地で自然災害やテロなど緊急事態が多発する中、迅速な初動対応が可能な自営通信ネットワークや、音声・映像を統合した非常通信ソリューションへの需要が増大しています。

 エネルギー分野においても、石油コンビナートやガス基地といった社会インフラでは、防爆通信機器など安全性・信頼性の高い通信手段が二次災害の防止において重要な役割を担います。こうした背景を踏まえ、Hytera社は5GおよびLTE-PMR自営ハイブリッド通信システムや、プライベートLTEと狭帯域無線を融合した端末など、最先端のソリューションを相次いで発表しています。

私たちは、このような状況認識のもと、進化した非常通信手段の提供を喫緊の課題と捉えています。今後も多様な取り組みを続け、お客様に最新かつ的確な情報発信を行うとともに、必要不可欠な製品を迅速に供給し、お客様の業務遂行を支援してまいります。総合的な通信ソリューションの実現に向け、今年も邁進していく所存です。